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2015年7月アーカイブ

友達の友達は皆、友達⁈

webmaster ( 2015年7月 2日 18:00 ) | コメント(0) | トラックバック(0)

多くの日本人が海外ビジネスで陥る落とし穴の1つが「知り合いの知り合いは信頼できる」という心情です。

さて、皆さんに質問です。
誰も知らない国に行ってビジネスをしなければならないことになった場合、まず皆さんはどうされるでしょうか?
少し想像してみてください。

まず始めに、自分の周りにいる、もしかしたらその国のことについて知っているかもしれない人を探そうとするでしょう。

その際、もし自分の姻戚関係や知り合いにそういった関係者がいたとしたら、「よかった、これでなんとかツテができた...」とほっと心をなでおろされるのではないでしょうか?
この心の動きは、誰にでもある動きです。ただ、日本人の場合、この情動に大きく影響されすぎるのです。

国土が小さく、ほとんどの人が同じ文化背景を持った日本人にとって、「知り合い」といった時の感覚的な近さは、アメリカ、ロシア、中国、インドといった大国とは比べものにならないものがあります。
結果、日本人はツテの先にある人に対して、過剰に信頼してしまいがちなのです。

たとえば、海外でビジネス・ミーティングを終えたら、その後は一人です。
知人のほとんどいない町に放り出されるわけです。
誰かに何かを相談したいと思っても、言葉の壁、文化の違いがあり、なかなか周りの人たちとのつながりを築くことができません。(特に長時間、同じ環境に身体を置いた成人にとっては、これらの新しい環境になじむまで、かなりの時間がかかります)
これを如実に表しているのが、海外におけるレストランで出会う日本人男性です。こそこそと隠れるようにして食事をとっています。
そのため、海外の人は、一目でその人が日本人だとわかると言います。

そのような時に、もしも細いツテだとしても、自分が知っている誰かがいるとしたら心がほっとしませんか? 特にカタコトでも日本語で話しかけられたら...
味方ができたような気になりませんか?
そして、その人がもしビジネスを助けてくれると言ってくれたら、皆さんはどう思われますか??

もちろん、自分の会社が依頼したビジネスパートナーにも手伝ってもらいますが、相談や困ったとき、どちらの言葉に心を動かされるでしょうか?

僕はビジネスにシビアだからそんなことはないという方もいらっしゃいますが、そう言っている方であればあるほど、逆に鴨葱になっているケースがあります。
彼らはキチンと心得ているのです、こういう人ほど、1歩心の中に入って信頼を築いてしまうと誰よりも信頼してくれるということを。

もし、本当にビジネスにシビアであれば、お互いにとってシビアな契約内容をきちんと話し合い、そしてサインをすることができるはずです。
ところが、こういう人たちは、契約書を必ず後回しにします。
その手口は巧妙ですが、流れ的には「ビジネスが成立してからでいいよ」という雰囲気にします。
ところが、これが日本人の心を非常にくすぐります。日本人には何かをしてもらったら、その分をお返ししないといけないと思う気質があります。結果、無料報酬で働いてもらうのは申し訳ないというところで、相手の話に合わせて必要経費(?)を払っていくうちに、気が付いたときには資金が底をついているというケースはよく聞きます。

その原因の根本はメンタルの部分で強く信頼してしまっているということです。
要は「オレ、オレ詐欺」と同じなのです。
本当にわかっていたら、引っかかるわけはないのです。
なのに、信頼してしまうと何から何まで信頼してしまうのが日本人です。

4年前まで日本でアメリカ政府関連の調査コンサルティング会社の支社長をし、現在、シンガポールに家族で移住し、独立系調査コンサルティング会社を開いた友人(ハミングバード・アドバイザリー:http://hummingbird-advisories.com/japanese/index.html)は、その状況を目の当たりにして、日本人の脇の甘さを嘆いています。

他民族との交流の少ない日本人はどうしても、メンタル的に同じ民族または血族の中に安心感を見出します。
ただ、海外に置いて日本と同じような感覚で動くと、本当に危険なのです。

海外とのビジネスを行う場合、自分の判断がメンタル的安心感や信頼感に寄っていないかどうかということを常に気を付けておくということは重要です。

 

【書籍紹介】

外国人から見なくても、若い世代から見ると日本人ってこんなに変!ということを痛感させられる1冊です。

だから日本はズレている  古市 憲寿 著
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逆説的ですが、私たちがどれほど信じやすいのかが理解でき、それを止めることで開かれる未来を教えてくれる本です。

まずは、「信じる」ことをやめなさい 苫米地 英人 著
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