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国連会議で見えたもの ③

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さて、国連をテーマにした話は今回が最終回ですが、ふと気分が変わり、当初考えていたテーマではなく、日本人と海外の人々との間における「食」に対する意識の違いについて書いてみようと思います。

日本は世界でも有数のグルメ国であり、東京にいれば世界各国の料理が食べられると言われていますが、こと、自分たちの食に対する行動を客観的に見てみると、意外と「食ベる」ということに対しては淡泊であると言えます。

では、皆さんに質問します。
14:00までに、どうしても終わらせなければならない仕事があったとします。
時計を見ると11:45。さぁ、皆さんならどうしますか?

まず、日本人であれば、ほぼ100%に近い確率で、お昼を我慢して仕事が終わるまで頑張って、仕事が終わってから食事をとるでしょう。
また、その後も仕事が詰まっている場合は、食事を諦めて夜まで仕事を続けるでしょう。
仮に食べたとしても、誰かにコンビニでおにぎりかサンドイッチを買ってきてもらい、食べながら作業をするというのが日本スタイルです。

そういう感覚に慣れている私たちですが、その眼をふと、脇にやると全く異なる光景が入ってきます。
そう、海外においては、食に対する感覚がまったく異なります。
食事は彼らにとって何よりも重要なのです。食事をせずに仕事をするなど、ナンセンスなのです。

もちろん、時に仕事が本当に詰まっていて、決められた時間までに仕上げなければならないという場合には、彼らも頑張りますが、それでも夜まで食事はお預けという状況はあり得ません。(とは言うものの、多くの場合、仕事が終わっていなくても食事に行ってしまうケースのほうが一般的です。なぜなら、それは時間配分を考えずに仕事を投げた人が悪いという考えに立脚しているからです)
それくらい、彼らにとって食事をとるということは大切なことなのです。

また、あまり知られていませんが、日本のように冷えたご飯を食べられる国民は、かなり少数派だということです。
海外の人々は、どんなに美味しい、有名どころのお弁当であろうと冷えた食べ物に口につけることを気持ち良しとしません。
もちろん、国家元首クラスの会食会で特別弁当などが用意されることはありますが、この場合は、冷えた状態で一番美味しい味となるものが厳選され、提供されているため、上記のケースとは異なります。
ここでいう冷えた食事というのは、本来は暖かい状態で食べるのが美味しいものなのに、諸事情により冷えている食べ物ということであり、これらは他の国の人にとっては食べられるものではありません。
それがたとえ、今半であろうと、吉兆であろうと、金田中であろうと、冷えていたら一様にしてまずいのです。

それが如実に表れるのが、イベントの現場です。
どんなに高級なお弁当でも昼・夜、一週間、冷えたお弁当が続くと、390円のほか弁がおいしく感じるのです。(これは別にほか弁が美味しいと言っているわけではなく、温度感の問題を言っています)

日本のお弁当事情をよく知っている海外のイベント・スタッフは、そのため食事時間になると休憩または日本人スタッフに現場を任せ、外に食べに行ってしまいます。
時に、判断の仰ぎたいのにいない...ということも発生しますが、それでも彼らにとっては暖かいご飯が必要なのです。冷たいご飯は食べたくないのです。

ということで、今後、皆さんが海外の方々と仕事をされるときは、「食」をキチンと扱う必要があるということを頭のどこかに入れておいてもらえればと思います。
そして、食べ物の温度というものに対しても気を付けていただければと思います。
(忙しくて外に出られないときなどは、近所のコンビニ弁当ではなく、ほか弁にするなど...)

これは裏話ですが、今回の国連でも、参加者用のお弁当が足りなくなり、国連の担当者が「暴動が起きる!」と青ざめ、日本人スタッフが近くのスーパーや総菜屋さんにお弁当を買いに走ったということがありました。
日本人であれば、しょうがないですむ話ですが、それですまない海外事情。国連スタッフまでも青ざめたということを覚えておいていただければと思います。

 

【参考文献】

食の恐ろしさを知った作品...

コックと泥棒、その妻と愛人 [DVD]  リシャール・ボーランジェ監督
http://amzn.to/1FyJEmr

 

昔ありましたね...

注文の多い料理店 宮沢 賢治著
http://amzn.to/1Kub4OD

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