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国連会議で見えたもの②

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 「日本人は他の国の人々に比べてメンタリティが弱い」とよく言われます。
私自身、これは認めたくない話ですが、事実だと思っています。
 「英語を使って仕事をしています」という人であっても、外国人ばかり、特に欧米の人々が8割を超えるようなパーティや集まりの場では、隅のほうに立って黙々とお酒を飲むか食事をつまむといった行動に出ます。
かくいう私も以前はそうでした。
英語に自信がなく、どうやってあの輪の中に入っていけばいいのかわからず、ポツンとしていました。英語のスピード、話されている会話の内容について行けなかったからです。
もちろん、今も気を抜くと英語が抜け落ちますが、ある時、「私はネイティブじゃないし。それに日本語でもあまり話し上手じゃないし...」と気付いたときに何かが吹っ切れ、そこから周りに英語が話せる日本人がいようといまいと英語を話し始めました。
もちろん、未だに英語に関しては不自由を感じてはいますが、それでもいつかネイティブを超える英語使いになるんだという目標を持って頑張っています。

なぜ、あの頃、私は英語を話すことができなかったのかを振り返ってみると、おそらく私は「いわれのない不安」に取りつかれていたのだと思います。
何を話されているのかわからない恐怖...。皆についていけないと仲間外れにされるのではないか、馬鹿にされるのではないかという恐怖...。
今考えると、バカみたいな話です。被害妄想も甚だしい自分がいました。
日本語が得意ではない外国人の人たちを日本語がよくわからないからって、私たちは馬鹿にするでしょうか?
自分自身のプライドの問題だったんです。

では、なぜこのような感覚が起きるのでしょうか?
私的には、やはり日本は島国であり、長きにわたり単一民族で同じ言語を話してきたハイコンテクストな国だからではないかと思っています。
国連の会議場内を歩くと、本当に多種多様な国から来た人々に出会います。
正直、欧米系の人々は少数派です。
そして、そこで話されている英語は多種多様で、発音もその国々において独特なアクセント、時には文法(シンガポールのシングリッシュ、インドのヒングリッシュなど)を伴っています。慣れていないと、その国の言葉を話されたのかと聞き間違えるようなことも日常茶飯事です。
でも、これらの英語を話している人たちは誰ひとり、自分の話している英語を恥ずかしいとは思っていません。通じなかったら、あの手この手と言い方を変えてみたり、発音をゆっくりしてみたりして、相手に通じるまで根気よく話し続けるだけです。

なぜこのようなことができるのでしょうか?
それは、彼らが住んでいる国は他国と地続きだったりしていて、自分たちの言葉が通じないことはいつでもあるという経験をたくさん持っているからです。

ところが日本では、そういう経験はほとんどありません。
目と目で通じ合うハイコンテクスト文化の国です。大切なのは言葉じゃないという刷り込みがあります。そのため、自分の言葉と意思が通じないと次の手が打てず、殻に閉じこもります。

これは本当にあった話ですが、国連の人たちがスマートフォンを120台、借りたのですが、無くなってはいけないので鍵の閉まる小部屋に入れて、鍵を閉めて立ち去りました。
そうこうしているうちに、その部屋をある用途で使用することになりました。
その時に入ったメールには以下のようなことが書かれていました。
「国連が、××部屋をスマートフォン保管部屋に指定してしまった。国連が決定したことを覆すことは無理だと理解しているが、あの部屋が使えないと業務遂行に支障が出る。舟生さん、至急、国連に交渉してほしい...」

「別にそんな重い意味はなくて、置き場に困っていたから単純に置いただけです。鍵がかかる別の場所があればすぐに動かしてくれます」と返事したかったのですが、私が別件で拘束されていたため、しばらく返事を書けなかったのですが、その間、やり取りされた日本人スタッフ間でのメールの内容はほとんどがパニック状態で、悲壮感さえ漂っていました。
そんな大げさなと思われるかもしれませんが、こういった反応は英語アレルギーを持っている人が取る典型的な反応です。

勇気をもって、もうほんの少しだけ立ち止まって、相手が何を言っているのかを客観的に見聞きすることができれば、相手がだれであれ、「本当にそう?」と疑問を持つことができるはずです。言葉がわからないから「あぁ、もうダメだ」ではなく、そこで踏みとどまることが大切です。
これは私の主観ですが、日本人はきちんと話ができないと言われる由縁はこの辺りにあるのではないかと思っています。

次回は、国連関連話の最終回として、Disability(身障者)の方々への対応について書きたいと思います。

 

【参考文献】

いわれのない恐怖を克服したかったら...

絶対成功する44のルール 苫米地 英人著
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私も含めて、皆で一緒に自信を持ちましょう...

君は、世界がうらやむ武器を持っている 田村 耕太郎著
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